真鵺道

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真鵺道とは何か

真鵺道とは,校正方法の一種である. 特に電子的な文書の校正を容易にするための手法である. テキストデータの校正一般に利用可能であるが, 特に遠隔地にて電子メイルを用いて編集者と校正作業を行うような場合に有効である. 真鵺道は第39回プログラミングシンポジウムにおいて竹内郁雄が提案した. この方法が電子メールにおける原稿, 論文のやりとりに繁雑さを感じている方々の手助けとなれば幸いである. また,真鵺道開発にまつわる話や利用法は

    竹内郁雄,山内斉 : 電子メールで原稿を修正する方法,
    bit,1999年12月号,9-14ページ,共立出版社

にても出版した. 上記の原稿の校正自体も真鵺道方式で行ない, 計算機の専門ではない出版社の編集の方々も容易に利用できたという発見もあった. 御興味を持たれた方は図書館などで御覧頂ければ幸いである.


真鵺道サポートプログラムとは何か

真鵺道サポートプログラムとは, 真鵺道による校正方式を補助するためのプログラムである. この Page の著者が作成したのは emacs 上での実装であり, 現在,主として以下の機能が実装されている.


真鵺道の実装の動機

電子メイルは便利な媒体である. 手紙なので電話のように相手の仕事をかなり強く中断する必要はない. また,高速であり, ネットワークの状態によっては世界中に秒単位で手紙を送付することも可能である. それぞれの人がそれぞれの生活を守りつつ,即座に原稿を送付するということも可能であるため, 近年よく利用されている.

筆者は,締切の厳しい雑誌に記事を書く場合や, 論文の投稿のために利用している.便利なものができたおかげで, 昔はゆっくりできたのにという意見もあろうが, そのような話はまた別とさせて頂くことにして, 実際に校正を電子メイルで行うことは筆者には必要であり,実装を行なった.

現在のところ, 電子的な原稿を修正する際には紙に朱を入れるような容易さは期待できない. 特に電子メイルで原稿をやりとりするような環境では利用可能な文字の種類などが限られる. このような部分にも真鵺道方式は考慮している.


真鵺道の概要

通常利用される校正方法は,

    Azimuth のロボット3原則
    ^^^^^^^
      Asimov の間違いでしょう.それに第 0 法則はどうする?

    第一条 : ロボットは他のロボットに危害を加えてはならない.
                           ^^^^^^^^
                             これは「人間」のはず.

のように位置と校正案を示す方法が用いられるが,この入力には比較的多 くの労力を必要とする上,どの部分をどのように訂正するかは自然言語で指示 されるので曖昧さが残る.この方式の最大の問題点はこの曖昧さのために,電 子的な文書であるにもかかわらず機械的に校正後の文書を取得できないことで ある.さらに,プロポーショナルフォントなどを使用する環境にかかると位置 の情報は期待できない.原稿をやりとりする各人の環境の違いによっては上記 の文が整形プログラムによって読めなくなることがある.多くの環境の人は上 記と同じテキストを書いた次の文の校正指示が不明であろう.もし可能であれ ばソースを参照して欲しい.

Azimuth のロボット3原則 ^^^^^^^ Asimov の間違いでしょう.それに第 0 法則はどうする? 第一条 : ロボットは他のロボットに危害を加えてはならない. ^^^^^^^^ これは「人間」のはず.

真鵺道方式では,いくつかの編集コマンドを文中に埋め込むことで校正案 を示す.たとえば,[A/B] は真鵺道の一つのコマンドである.これは A を消 去し,B に変更するという意味である.これを使うと,上の文は

[Azimuth/Asimov] のロボット3原則
第一条 : ロボットは他の[ロボット/人間] に危害を加えてはならない.

と修正される.その他にもコメントを書く方法などが規定されている.こ の手法は機械的に処理が可能であり,校正前と校正後の原稿の違いは厳密に定 義される.したがって,校正箇所の置換とコメントを誤ることはない.さらに 真鵺道方式の利点は,環境を選ばないことであり,テキストを編集可能なエディ タであれば利用することができる.

ここで,TeXやLaTeXを利用されている方は,`[]'のような記号は他の意味 で利用しているので,この方法が役にたたないのではと思われるかもしれない. 真鵺道では,このような校正部分を示す記号を再定義するためのヘッダを規定し ており,文書ごとに変更が可能になっている.詳しくはマニュアルを御覧頂くとして,基 本的には空白文字を含まない文字列ならなんでも真鵺道記号となりうる.たとえ ば,以下のような記法が利用されたことがある.

default: [ / ; ]
[original/revised;comment]
最初の提案: [ \ ★ ]
[original\revised★comment]
sed 風: s/ / ; /g
s/original/revised;comment/g
HTML, SGML, XML 風: <manued> <del></del> <com></com> </manued>
<manued>original<del></del>revised<com></com>comment</manued>
2byte文字が利用できる場合: 【 / ; 】
【original/revised;comment】
smile: [^_^ / ; ^_^]
[^_^original/revised;comment^_^]
その他: { \ !! }
{original\revised!!comment}

また,真鵺道の記号をエスケープする方法も規定されている.たとえば, []を真鵺道の記号ではないと示すには,デフォルトの記号で書けば,~[~]とな る.デフォルトでは`~'がエスケープ記号である.エスケープ記号も再定義可 能であり,当然~~のようにエスケープ自身のエスケープも可能である.しかし, エスケープを多用すると可読性が落ちると思われるので,エスケープの多用を 避けるために真鵺道記号を再定義するのが良いだろう.

真鵺道方式が仮定するのはテキストエディタだけであるが,さらに便利に 利用することを考えて Emacs 上に manued-minor-mode を実装した. manued-minor-mode では主に以下の機能が利用可能である.

真鵺道方式は環境を選ばないので,Emacs 上に限ることではない. 今回 Emacs に実装したのは私が良く利用する環境であるという理由にすぎない. したがって,他の環境で実装を行なった方があればぜひお知らせ頂きたい. 現在要望のある環境はツールは以下の通りである.


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真鵺道メイリングリストは真鵺道や, 電子的原稿の校正方法に関して話を行う所です. 真鵺道関係のプログラムや,その改良方法など, 電子的原稿の校正方法に関する話などならなんでもかまいません.

(以下において,メイルアドレスは .nicht.spam という部分を消去し," at " を @ に変更したものとして読んで下さい.)


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最終更新日 : Saturday, 16-Aug-2003 20:41:46 MEST